時給のお話(最低賃金)
『老後の資金がありません』
昨年に上映された天海祐希さん主演の映画みましたか?
年金の話なのかな?そうおもって観に行きましたがコミカルでありながら
父親の葬儀費用や子供の結婚費用などにからめて資産形成を考えさせられる
とてもいい映画でした。
ところで皆さん、「人生の三大資金」ってご存じですか?
『住宅資金』『教育資金』『老後資金』 この3つが三大資金と言われています。
この3つ どれも簡単には準備できない大きな金額になるのではないでしょうか?
(一応、ファイナンシャルプランナーでもありますので (*^ー^) )
ちょうど私と同じ50歳代のみなさんは、老後の資金が気になり始めていると思いますが、
住宅ローンと子供の学費にまさに苦しめられているのでは ❔
更には、親の介護問題発生とかなにかとつらい世代ですよね。
本業はあんまり儲かってないし、どうやって収入ふやそうかな???
あいた時間をつかってバイトでもしようかな??? なんて考えたりして(^_^;)
(副業、兼業のお話はあらためて設けます)
ところでアルバイトをしようと思うときに皆さんは何を重視しますか?
仕事内容、家からの距離、週に入れる日数や時間などなどいろいろありますが
やっぱり給料はいくらか、時給はいくらか が一番重要なのではないでしょうか?
ここで出てくる時給ですが、時給についてもルールがあります。
「最低賃金法」では、使用者は国が定めた最低賃金以上の賃金を労働者に支払わなければ
ならないと定められています。
仮に労働者と合意のうえに最低賃金を下回る賃金で契約をしたとしても、
この法律によって無効となり最低賃金を同額で契約したこととなります。
ここで言われる賃金は、時給で表されます。
また、この法律に違反すると罰則がありますので事業者としては注意が必要です。
最低賃金については、厚生労働省のHPで確認できます。
◎地域別最低賃金全国一覧(令和3年改定)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/
また、特定の産業では特定最低賃金を適用することとなります。
◎最低賃金の種類
https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/kijunkyoku/minimum/minimum-11.htm
皆さんの事業所では、最低賃金を下回る賃金設定になっていませんか?
念のため確認してみてください。
時給というとパートタイマーやアルバイトといった従業員区分だけを確認すればいいと
思っていませんか?
それは、間違いですよ。
月給制で賃金を払っている正社員なども確認が必要です。
月給制で支払っている正社員等の時給を算出するのには、事業所で設定されている
年間カレンダーが重要となります。
1年間 365日のうち 稼働日(営業日)は何日か、1日の所定労働時間は何時間か
これを使って算出することになります。
下の例で時給を算出してみます。
新入社員の基本賃金:185,000円
年間の稼働日数:260日 (年間休日:105日)
1日の所定労働時間:8時間
ますは、年間の所定労働時間を算出します。
①260日×8時間=2,080時間
次の一ヶ月あたりの平均労働時間を算出
②2,080時間÷12ヶ月≓173.34時間
最後に基本賃金を一ヶ月あたりの平均労働時間で割って時給を算出します。
③185,000円÷173.34時間≓1,067円
新入社員の時給は 1,067円ということになります。
(上の計算方法は、あくあまでも一例です)
この時給金額どうですか?
現在の東京都の地域別最低賃金を例にとると 最低賃金は 時給1,041円です。
注意しておかないと今年の秋の改定で東京都の場合、地域別最低賃金を下回ってしまう
なんてことが起こりうるのです。
給与制度を何年も見直しをしていない事業所様がありましたら
そういった観点でも点検・見直しをしてみてはいかがでしょうか。