労働条件の明示
雇い入れ時の健康診断
〇雇入れ時の健康診断
事業者は常時使用する労働者を雇い入れるときは、その者に対し
医師による健康診断を行わなくてはなりません。
定期健康診断とちがって医師の判断により検査項目の省略はできません。
詳しくは下のリンクで確かめよう!!
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育児休業給付金
〇支給要件
育児休業給付金は、被保険者が次の要件に該当した場合に、支給単位期間について支給されます。
(上記の被保険者に短期雇用被保険者及び日雇労働被保険者は含まれません)
1.1歳に満たない子を養育するための育児休業をしたこと
(例外)
①被保険者が養育する子について、配偶者が当該子の1歳に達する日以前のいずれかの日において
育児休業をしている場合(パパママ育休プラス)
⇒ 1歳2ヶ月
②その子が1歳(又は1歳6ヶ月)に達した日後の期間について休業することが雇用の継続のために
特に必要と認められる場合に該当する場合(例えば 保育所待機児童を養育する場合や配偶者が死亡した場合、
一定の障害がある場合、離婚や新たな妊娠などに該当したときなど)
⇒ 1歳6ヶ月(又は2歳)
2.育児休業を開始した日前2年間にみなし被保険者期間が通算して12ヶ月以上あること
用語の説明 ①支給単位期間
休業した期間を休業開始日から1ヶ月毎に区分した各期間のこと
(例)育児休業開始日が3月10日の場合
第一区間 3月10日 ~ 4月9日
第二区間 4月10日 ~ 5月9日
第三区間 5月10日 ~ 5月9日 というように区分されます。
②みなし被保険者期間
育児休業を開始した日を離職などして被保険者でなくなった日とみなして計算した被保険者期間に相当する期間のこと
3.支給期間
被保険者がその1歳に満たない子を養育する期間。(例外に該当する場合はそれぞれの期間)
但し
①育休を分割して取得する場合 同一の子につき2回まで
②延長事由があり且つ夫婦交代で育児休業を取得する場合
1歳から1歳6ヶ月と1歳6ヶ月から2歳の各期間において夫婦それぞれ1回
4.支給額
①原則の支給
休業開始時賃金日額×支給日数×100分の50
休業日数が通算して180日に達するまでの間は100分の67
②支給単位期間中に事業主から賃金が支払われた場合
「支払われた賃金額+育児休業給付金」が
「休業開始時賃金日額×支給日数×100分の80」を超えないように調整されます。
用語の説明
休業開始時賃金日額
休業を開始した日の前日を離職日とみなして算定した賃金額
※出生時育児休業給付金についても考え方は育児休業給付金と同じです。
支給期間は、養育する子の出生の日から起算して8週間を経過する日の翌日までの
期間内において2回が上限。出生時育児休業を取得した日数が通算して28日に達するまでとなります。
出産手当金
出産手当金の支給額の計算について
出産手当金の額は、1日ごとに次の額が支給されます。
出産手当金額=
(支給開始日の属する月以前の直近の継続した
12ヶ月の各月の標準報酬月額÷30×3分の2
(参考)全国健康保険協会「標準報酬月額表」
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g7/cat330/sb3150/r06/r6ryougakuhyou3gatukara/
《支給額の例》
支給開始日3月5日の場合
3月から継続する12ヶ月の標準報酬月額を確認
前年の9月から当年3月まで7ヶ月間の各月の標準報酬月額が28万円
前年の4月から8月まで5ヶ月間の各月の標準報酬月額が26万円
とした場合、次のように計算されます。
〔(26万円×5ヶ月)+(28万円×7ヶ月)〕÷12=271,666.666円 ①
①÷30=9,060円(10円未満四捨五入)
②×3分の2 =6,040円(1円未満四捨五入)
1日当たり支給額 6,040円
※標準報酬月額が12ヶ月に満たない場合は次の①②のいずれか少ない額用いる
①支給開始日の属する月以前の直近の継続した各月の標準報酬月額の
平均額の30分の1相当額
②支給開始日の属する年度の前年度の9月30日における全被保険者の同月の
標準報酬月額の平均の額を平均標準報酬月額の基礎となる報酬月額と
みなしたときの標準報酬月額の30分の1相当額
少子化対策(育児休業給付金)
先月の3日に厚生労働が発表した2021年の人口動態統計によると一人の女性が
生涯に生む子どもの数に相当する合計特殊出生率が1.30人と6年連続低下となりました。
それを受けてか政府が、少子化支援を目的に育児休業給付の対象者を拡大するために
制度の抜本的見直しに検討にはいった と報じられました。
現在、育児休業給付金の支給対象は、雇用保険の加入者に限られていますが
雇用保険加入対象とならない短時間労働者や出産や育児で離職した再就職希望者などを
念頭に拡大を目指すようです。
さて育児休業給付とは、どのような制度なのでしょうか。
簡単に言えば、育児休業をする雇用保険の被保険者の賃金が低下した場合に給付金が支給される制度です。
ほとんどの事業所様では、就業規則等で育児休業期間中の賃金は無給と定められているのではないでしょうか。
そこで雇用保険から育児休業給付金を支給することにより休業中の労働者の生活支援をするわけなのです。
具体的には次の支給要件に該当した場合に支給単位期間についてて支給されます。
①1歳(要件によっては1歳2ヶ月、1歳6ヶ月2歳)に満たない子を養育するために休業をしたこと
②休業を開始した日2年間にみなし被保険者期間が通算して12ヶ月あること
※育児休業給付の支給対象となる休業には、労働基準法による産前産後休業は含まれません。
産前産後休業に期間の生活保障としては、健康保険法の規定による出産手当金が支給されます。
※みなし被保険者期間とは、休業を開始した日を被保険者でなっくなった日、例えば退職した日と
みなして計算した被保険者期間の事です。
※支給単位期間とは休業を開始した期間を、休業開始日から1ヶ月ごとに区分した各期間のことで
下の要件を満たす必要があります。
①初日から末日まで継続して雇用保険の被保険者資格を有していること
②公共職業安定所長が就業していると認める日数が10日以下であること又は就業していると
認める時間が80時間以下であること
③賃金が支払われている場合は、その賃金の額が休業開始時賃金日額に支給日数を乗じて
得た額の100分の80未満であること
では、実際の支給額を見てみます。
①原則は、休業開始時賃金日額×支給日数×100分の50(50%)
②休業開始日して休業数が180日に達するまでは100分の67(67%)
文字で見るとちょっとわかりにくいので下のの厚労省のリーフレットをご確認ください。
※リーフレット内容はあくまでも②の前半180日までの一例となります。
厚生労働省リーフレット「育児休業給付金が引き上げられました」
育児休業期間中は、手続きすることにより健康保険等の社会保険料が免除されますので
手取り賃金値で比較すると休業前ので約8割が支給される設計となっています。
育児休業を取得すると収入が減ってしまうと考えてしまうのがネックとなりますので
長期に休む女性というよりは、男性が短期に休業するのを想定しているわけです。
現在の育児休業給付金は、雇用保険が財源とされています。
雇用保険は、主な財源を事業主と労働者から徴収する保険料であり、主目的としては、失業予防が
重視されています。当然、育休の対象者は限定されることになります。
また、今年度から雇用保険料率がコロナ禍による雇用調背助成金の給付増などの財源逼迫などを
要因として引き上げられたように決して財源に余裕があるとは言えません。
今後どのような制度設計で育児休業給付が拡大されていくのか政府の動向に注目が必要です。