2022-07-03 10:00:00

少子化対策(育児休業給付金)

先月の3日に厚生労働が発表した2021年の人口動態統計によると一人の女性が

生涯に生む子どもの数に相当する合計特殊出生率が1.30人と6年連続低下となりました。

それを受けてか政府が、少子化支援を目的に育児休業給付の対象者を拡大するために

制度の抜本的見直しに検討にはいった と報じられました。

現在、育児休業給付金の支給対象は、雇用保険の加入者に限られていますが

雇用保険加入対象とならない短時間労働者や出産や育児で離職した再就職希望者などを

念頭に拡大を目指すようです。

 

さて育児休業給付とは、どのような制度なのでしょうか。

 

簡単に言えば、育児休業をする雇用保険の被保険者の賃金が低下した場合に給付金が支給される制度です。

ほとんどの事業所様では、就業規則等で育児休業期間中の賃金は無給と定められているのではないでしょうか。

そこで雇用保険から育児休業給付金を支給することにより休業中の労働者の生活支援をするわけなのです。

 

具体的には次の支給要件に該当した場合に支給単位期間についてて支給されます。

 

①1歳(要件によっては1歳2ヶ月、1歳6ヶ月2歳)に満たない子を養育するために休業をしたこと

②休業を開始した日2年間にみなし被保険者期間が通算して12ヶ月あること

※育児休業給付の支給対象となる休業には、労働基準法による産前産後休業は含まれません。

 産前産後休業に期間の生活保障としては、健康保険法の規定による出産手当金が支給されます。

※みなし被保険者期間とは、休業を開始した日を被保険者でなっくなった日、例えば退職した日と

 みなして計算した被保険者期間の事です。

※支給単位期間とは休業を開始した期間を、休業開始日から1ヶ月ごとに区分した各期間のことで

 下の要件を満たす必要があります。

 ①初日から末日まで継続して雇用保険の被保険者資格を有していること

 ②公共職業安定所長が就業していると認める日数が10日以下であること又は就業していると

  認める時間が80時間以下であること

 ③賃金が支払われている場合は、その賃金の額が休業開始時賃金日額に支給日数を乗じて

  得た額の100分の80未満であること

 

では、実際の支給額を見てみます。

 ①原則は、休業開始時賃金日額×支給日数×100分の50(50%)

 ②休業開始日して休業数が180日に達するまでは100分の67(67%)

 文字で見るとちょっとわかりにくいので下のの厚労省のリーフレットをご確認ください。

 ※リーフレット内容はあくまでも②の前半180日までの一例となります。

 

 厚生労働省リーフレット「育児休業給付金が引き上げられました」

 

 育児休業期間中は、手続きすることにより健康保険等の社会保険料が免除されますので

 手取り賃金値で比較すると休業前ので約8割が支給される設計となっています。

 育児休業を取得すると収入が減ってしまうと考えてしまうのがネックとなりますので

 長期に休む女性というよりは、男性が短期に休業するのを想定しているわけです。

 

現在の育児休業給付金は、雇用保険が財源とされています。

雇用保険は、主な財源を事業主と労働者から徴収する保険料であり、主目的としては、失業予防が

重視されています。当然、育休の対象者は限定されることになります。

また、今年度から雇用保険料率がコロナ禍による雇用調背助成金の給付増などの財源逼迫などを

要因として引き上げられたように決して財源に余裕があるとは言えません。

今後どのような制度設計で育児休業給付が拡大されていくのか政府の動向に注目が必要です。

厚生労働省リーフレット「令和4年度雇用保険料率のご案内