2022-02-27 10:00:00

通勤の途中で転んで怪我をしたら(通勤災害)

今年は、関東でもよく雪が降りますね⛄

2月上旬の雪は、関東では4年ぶりの大雪とニュースになりました。

東北出身ですが、そんなに雪が降らない地域で育ちましたので

小学校時代は、たまに雪が積もれば 国語の授業が校庭での雪合戦にかわったものです。

子供の頃は、嬉しかったのに

大人になると 雪はちょっと厄介です。

 

明日、電車動くかな? 雪道を歩いて会社行くの嫌だな。

 そんなことばかり考えちゃいますね。。。

 

雪が降った日や雪が降った次の日の朝、足下がツルツル

転ばないテクニックは 歩幅を小さくし そろそろ歩く「ペンギン歩き」だそうです。

お天気のお姉さんが言っていました。

 

とわ言っても実際には 転倒事故が発生します。

 「今朝、通勤途中に転倒して怪我をしました。」なって報告を受けた事業所様もあるのでは

ないでしょうか?

 

通勤途中で転倒した場合の補償については、 労災保険法(労働者災害補償保険法)

に定めがあります。

 

労災保険法での保険給付の対象を簡単にまとめると次の二つがあげられます。

①業務上の災害:仕事上で負った怪我や病気または障害

②通勤上の災害:通勤途上で負った怪我や病気または障害

 

上の二つをみると 通勤中に転んだんだったら 通常は②に当てはまるのがわかると思います。

しかし、手続きをする前に必ず転倒(怪我)した状況を詳細に確認する必要があります。

 

例えば

1)出勤時に会社の駐車場に車を止めて、入り口に向かう際に転倒して怪我をした場合

 車を止めた駐車場の場所が重要になります。

 駐車場が

 ①会社の敷地とは別にある場合は、通勤災害とされる可能性が高いです。

 ②会社の敷地内にある場合は、通勤災害ではなく労働災害とされる可能性が出てきます。

 

2)通勤途中に缶コーヒーを買うためにコンビニで買い物をして出てきた時に転倒して怪我をした場合

 この場合も転倒した場所が重要となります。

 転倒したのが

 ①駐車場などコンビニの敷地内の場合・・・通勤災害の適用は受けれない可能性があります。

 ②コンビニの敷地を出て通常の通勤経路に戻った場所の場合・・・通勤災害とされる可能性が高いです。

 

通勤災害になるのか、労働災害になるのか、そもそも適用されないのか、転倒(怪我)した状況により

変わってくるのです。

 

また、労働災害・通勤災害の給付の判断は、提出された請求書をもとに労働基準監督がします。

労基署から問い合わせがあった場合に明確に回答できるようにしておく必要があります。

労災保険の適用の申請が従業員からあがってきた場合は、状況確認をしっかりするようにお願いします。

 

労働災害や通勤災害は、事前の予防が大切です。

作業前に注意喚起をするのと同じように天候を事前に確認して

通勤時に注意するように「声かけ」するだけでも効果があります。

業務時間中でも通勤中でも従業員が怪我をすれば会社にとっては損害です。

事前一策として「声かけ」を心がけましょう。

 

労災保険給付の概要(厚生労働省のHPより)

https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040325-12.pdf

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2022-02-20 10:00:00

時給のお話(最低賃金)

 『老後の資金がありません』

昨年に上映された天海祐希さん主演の映画みましたか?

年金の話なのかな?そうおもって観に行きましたがコミカルでありながら

父親の葬儀費用や子供の結婚費用などにからめて資産形成を考えさせられる 

とてもいい映画でした。

 

ところで皆さん、「人生の三大資金」ってご存じですか?

 

『住宅資金』『教育資金』『老後資金』 この3つが三大資金と言われています。

この3つ どれも簡単には準備できない大きな金額になるのではないでしょうか?

(一応、ファイナンシャルプランナーでもありますので (*^ー^) )

 

ちょうど私と同じ50歳代のみなさんは、老後の資金が気になり始めていると思いますが、

住宅ローンと子供の学費にまさに苦しめられているのでは ❔

更には、親の介護問題発生とかなにかとつらい世代ですよね。

 

本業はあんまり儲かってないし、どうやって収入ふやそうかな???

あいた時間をつかってバイトでもしようかな??? なんて考えたりして(^_^;)

(副業、兼業のお話はあらためて設けます)

 

ところでアルバイトをしようと思うときに皆さんは何を重視しますか?

 仕事内容、家からの距離、週に入れる日数や時間などなどいろいろありますが

やっぱり給料はいくらか、時給はいくらか が一番重要なのではないでしょうか?

 

ここで出てくる時給ですが、時給についてもルールがあります。

 

「最低賃金法」では、使用者は国が定めた最低賃金以上の賃金を労働者に支払わなければ

ならないと定められています。

仮に労働者と合意のうえに最低賃金を下回る賃金で契約をしたとしても、

この法律によって無効となり最低賃金を同額で契約したこととなります。

ここで言われる賃金は、時給で表されます。

また、この法律に違反すると罰則がありますので事業者としては注意が必要です。

 

最低賃金については、厚生労働省のHPで確認できます。

◎地域別最低賃金全国一覧(令和3年改定)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/

また、特定の産業では特定最低賃金を適用することとなります。

◎最低賃金の種類

https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/kijunkyoku/minimum/minimum-11.htm

 

皆さんの事業所では、最低賃金を下回る賃金設定になっていませんか?

念のため確認してみてください。

 

時給というとパートタイマーやアルバイトといった従業員区分だけを確認すればいいと

思っていませんか?

 

それは、間違いですよ。

月給制で賃金を払っている正社員なども確認が必要です。

 

月給制で支払っている正社員等の時給を算出するのには、事業所で設定されている

年間カレンダーが重要となります。

 

1年間 365日のうち 稼働日(営業日)は何日か、1日の所定労働時間は何時間か

これを使って算出することになります。

 

下の例で時給を算出してみます。

 

新入社員の基本賃金:185,000円

年間の稼働日数:260日 (年間休日:105日)

1日の所定労働時間:8時間

 

ますは、年間の所定労働時間を算出します。

①260日×8時間=2,080時間

 

次の一ヶ月あたりの平均労働時間を算出

②2,080時間÷12ヶ月≓173.34時間

 

最後に基本賃金を一ヶ月あたりの平均労働時間で割って時給を算出します。

③185,000円÷173.34時間≓1,067円

 

新入社員の時給は 1,067円ということになります。

(上の計算方法は、あくあまでも一例です)

 

この時給金額どうですか?

現在の東京都の地域別最低賃金を例にとると 最低賃金は 時給1,041円です。

注意しておかないと今年の秋の改定で東京都の場合、地域別最低賃金を下回ってしまう

なんてことが起こりうるのです。

 

給与制度を何年も見直しをしていない事業所様がありましたら

そういった観点でも点検・見直しをしてみてはいかがでしょうか。

 

2022-02-13 10:00:00

さぼりじゃなかったのね(年次有給休暇)

中学時代は野球部でした。

今の姿からは自分でも想像できませんがポジションはピッチャー。

人生でもっとも輝いていたときかも?

試合といえば父親が応援に来てくれました。

大会の時は、平日でも会社を休んで。

「ゆうきゅう」?とったからって 仕事さぼってんの????

今思えば 年次有給休暇をとって 応援に来てくれていたわけですね。

 

三十数年前 会社に入った時に 上司からまず教えられたのは

「有給休暇は、風邪をひいいて熱があるときにとるものだから」

えっ! じゃあ野球の応援いけなじゃん(T_T)

 

労働基準法では第39条に10項に渡り年次有給休暇の定めをしています。

 

「使用者は、その雇入れの日から起算して6ヶ月間継続勤務し全労働日の

8割以上出勤した労働者に対しては、・・略・・10労働日の有給休暇を

あたえなければならない。」

(雇用契約の内容により、付与日数が比例付与になる場合があります。)

 

この年休権は、①6ヶ月間の継続勤務 ②全労働日の8割以上の出勤率という

2つの要件を満たせば当然に発生します。

 

「私はパートだからアルバイトだから 有給休暇はないの」とう

話よくを聞きますが それは間違えです。

正社員でなくても上の2つの要件を満たせば年休権が当然に発生するのです。

また、年次有給休暇を取得するのに「風邪をひいいて熱があるから」等の理由は

必要ありません。自由に取得できるものなのです。

 

間違った認識で年次有給休暇の管理をしていませんか?

 

さらに改正された労働基準法が2019年4月1日から施行され

従業員に年5日の年次有給休暇を取得されることが使用者に義務づけられました。

この改正は、会社規模による経過措置はありません。

すべての事業所様が対象となっています。

この規定に違反した場合には、罰則が適用されることとなっております。

 

忙しくて有給休暇なんてとれないよ。

それでは済まされない時代になっています。

 

まずは、年次有給休暇のルールの確認。

年次有給休暇を取りやすい職場環境づくり。

そして年休管理簿の作成を徹底しましょう。

 

※改正法が施行されてまる3年となります。

 労基署の労働時間に関する調査では、年休管理簿の提出を求められます。

 

◎年次有給休暇の付与日数(厚生労働書HPより)

 https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/dl/140811-3.pdf

 

 

 

 

 

 

2022-02-06 09:47:00

就業規則を読んだことありますか?(就業規則)

会社勤めを30年。そのうち前半の20年は営業担当、後半の10年は人事担当。

人事担当となって一番最初にしたのは会社にはどんなルールがあるのかを覚える事。

営業時代の20年間に就業規則なんて読んだことありませんでしたから。

あっ!! 仕事が嫌で会社を辞めたいと思った時に退職金の規程は熟読しましたが(^▽^)

 

労働基準法89条には

「常時十人以上の労働者を使用する使用者は、・・・略・・・・就業規則を作成し

行政官庁に届け出なければならない。・・・略・・・・」と定められています。

(十人以上の労働者には正社員ばかりでなく常時使用するパート、アルバイトも含まれます。)

 

あなたは、会社の就業規則を読んだことがありますか?

就業規則は労働条件やそこで働く人みんなが守らなくてはいけないルールを定めた

とても大切なものです。

就業規則には、必要記載事項(本文下部に記載)というものがあります。

 

例えば会社の就業時間は何時から始まって何時に終わるのか?

みんなの給料はどのように計算されて、いつ支払われるのか?

業務時間中、安全に仕事をするためにみんなが守るべきルールは何か?

病気になったらどうしたらいいか?会社を辞めるときは?退職金は?

社員一人ひとりにとって大切な事が書かれているのです。

 

だから面倒くさい、わからなかったら会社に聞けばいい、私には関係ない。

そんなことを言わずにきちんと読んでみましょう。

 

会社は、就業規則を作成・変更したら労働組合や労働者の代表の意見を聴取し

その意見書を添付して労働基準監督署へ届け出る必要があります。

そして社員みんなにその内容を周知しなければなりません。

 

あなたの職場でも誰もがいつでも閲覧できるようになっているはずです。

 面倒くさがらずに読んでみましょう!!

 

※就業規則は、会社の大切なルールブックです。

 最新の法改正に対応していますか?

 定期的な確認が大切です。

 また、労使関係を安定させるためにも社員が10人未満の事業所様でも

 就業規則の制定をおすすめいたします。

 

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◎就業規則の「絶対的必要記載事項」と「相対的必要記載事項」

 

1)「絶対的必要記載事項(3事項)← 必ず記載しなければならない事項

 

  ①始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を2組以上にわけて交替に

   就業させる場合においては就業時転換に関する事項

  ②賃金(臨時の賃金を除く。以下同じ)の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締め切り

   及び支払いの時期並びに昇給に関する事項

  ③退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

 

2)「相対的必要記載事項」(8事項)←定めをする場合には必ず記載しなければならない事項

 

  ①退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、

   計算方法及び支払いの方法並びに退職手当の支払いの時期に関する事項

  ②臨時の賃金(退職手当を除く。)及び最低賃金の定めをする場合においては、

   これに関する事項

  ③労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、

   これに関する事項

  ④安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項

  ⑤職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項

  ⑥災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項

  ⑦表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項

  ⑧①から⑦に掲げるもののほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めを

   する場合においては、これに関する事項