2022-03-27 10:00:00

健康づくりのはじめの一歩(雇入れ時の健康診断)

労働条件通知書の準備はできましたか?

 

いよいよ4月が迫ってきました。

あれもやらなくては、これもまだできていない・・・・

年度末の処理 そして 新年度の準備とバタバタではないでしょうか?

積み残しがないようにチェックリストで確認するのが効果的です。

 

さて 労働条件通知書の準備ができたら 次は健康診断です。

 

事業主は、常時使用する従業員を雇入れる場合、医師による健康診断を

実施しなければなりません。

 

これを「雇入れ時の健康診断」といいます。

 

ここで言う「常時使用する」とは

1週間の所定労働時間が通常の従業員の3/4以上のもので次のいずれかに該当するものです。

 

つまり下のいずれかの要件に該当すれば、正社員、パート、アルバイトといった従業員区分に

関係なく実施しなければならない健康診断です。

 

①期間の定めのない契約で雇用するもの

②1年以上雇用する予定であるもの

③契約更新により1年以上雇用されているもの

 (※特定業務の場合は、1年を6ヶ月に読み替える)

 

4月に新入社員を迎え入れる場合も当然必要ということがわかります。

 

 

「雇入れ時の健康診断」???

 

1年に一回実施される「定期健康診断」に比べ 「雇入れ時の健康診断」は

その実施時期や内容についてピントこない感じがするのではないでしょうか。

 

健康診断については、労働安全衛生法第66条に定められています。

そして労働安全衛生規則第43条に「雇入れ時の健康診断」についてその詳細が定められています。

 

「雇入れ時の健康診断」と「定期健康診断」の診断項目については下のURLでご確認ください。

 

厚生労働省「定期健康診断について」

https://jsite.mhlw.go.jp/tochigi-roudoukyoku/library/tochigi-roudoukyoku/seido/eisei/teiki.pdf

 

次に雇入れ時の健康診断の実施時期です。

 

実施時期については、雇入れ前後と明確に定められていませんが 下の①②を勘案すると

雇入れ前後3ヶ月以内に実施することが望ましいと考えられます。

 

①雇入れ時の健康診断の目的が雇入れの際の適正配置や入社後の健康管理とされていること。

②医師による健康診断を受けた後、3ヶ月を経過しないものを雇入れる場合は、

 当該健康診断の結果を証明する書面を提出した場合は、健康診断に相当する項目は、

 省略できると定められていること(労働安全衛生規則第43条)

 

それでは、あらたに従業員を雇入れたタイミングで「定期健康診断」が実施される場合

その健康診断で「雇入れ時の健康診断」の代用は可能でしょうか?

 

答は 代用可能です。

 

上のURLで見たように「雇入れ時の健康診断」と「定期健康診断」の健診項目に違いはないからです。

 

但し、注意することがあります。

 

「定期健康診断」の場合、一部の項目について医師の判断により省略することができます。

しかし「雇入れ時の健康診断」の代用とする場合は、省略することなくすべての項目について

実施する必要があります。

 

逆に「雇入れ時の健康診断」を実施していれば、その後1年間の「定期健康診断」を省略する

ことが可能となります。

 

皆さんの事業所では、「雇入れ時の健康診」は実施されいましたか?

 

「雇入れ時の健康診断」や「定期健康診断」等 法律で定められてりる健康診断が

実施されていないと労働基準監督署から是正勧告をうけたり罰金を課せられる事となります。

 新たに従業員を雇入れる際には、労働条件の通知とあわせて健康診断の準備を忘れないように

注意してください。

 

法令にも基づく健康診断の種類いついては下のURLでご確認ください。

厚生労働省「健康診断を実施しましょう」

https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/130422-01.pdf

 

※生活習慣や食生活の変化などの影響のせいなのか 30年前に新入社員だった

 私の時代ではあり得なかった項目で驚く数値をたたき出す若者が増えています。

 健康で長く活躍してもらうためにも「雇入れ時の健康診断」の結果を上手に利用して

 従業員の生活習慣の改善、健康増進になげていきましょう。